こんにちは。ニート見習いのふーたろー(@crypto_210)です。
8月中旬から上昇に転じていた仮想通貨市場は、9月5日から大暴落。一時50%を下回りそうだったBTCドミナンスも60%に迫る勢いとなっています。
特に時価総額2位のイーサリアムの暴落は凄まじく、BTCドミナンスを大幅に上昇させる要因となっています。
そこでイーサリアムの暴落の原因や上昇の可能性を考察した上で、安定してスイングトレードで利益を出すにはどうすべきか? について考えてみたいと思います。
目次
イーサリアムの暴落の原因は?
9/13時点でアルトコインFXを行うなら、イーサリアム暴落の原因を考えることは外せません。自分は8月、あらゆる銘柄でアルトコインショートを実施していましたが、9月に入ってからはイーサリアム中心でアルトコインFXを実施しています(並行してビットコインFXもやっています)。
現在イーサリアムが暴落している主な原因は大きく三つでだと考えています。
- ICO実施者の売り圧力が強くなっている
- ICOでの需要が減っている
- そもそも仮想通貨全体が冷え込んでいる
ICO実施者の売り圧力が強くなっている
以前にもEOS陣営によるETHの大量売却が噂される暴落は発生してきましたが、現在多くのICO実施者がイーサリアムの売却を進めていると噂されています。
多くのICO実施者はイーサリアムで資金を調達しており、それらの資金は開発や運営などの費用として最初から利用される予定です。つまり「ICOで調達されたイーサリアムはいずれは売りに出される」ものであるわけです。
ただし、ICO実施者もイーサリアムが長期で見て値上がりすると考えれば、あえて調達直後に全てを売却する必要はないわけです(開発費も運営費も必要な分だけ売却すればいい)。ですから、多くのICOはイーサリアムを売却せず持ち続けていたのだと考えられます。
とはいえイーサリアムが暴落してきている今、万が一の可能性を考えて売却が加速している可能性は否定できません。また、多くのICOはサービスを提供できておらず、開発や運営費を捻出するために今後もイーサリアムを売却する必要があります。つまり長期的にもまだイーサリアムの売却は進んでいくと考えられます。
ちなみにDiar社の調査によると、ICOにより調達されたイーサリアムの約4割は未だに売却されておらず、残り約6割についても売却と移動という状況です。一般的に予想されるよりも大きな売り圧力が残されていると見ていいでしょう。
ICOプロジェクト、まだイーサリアムを売っていない!?
引用:仮想通貨ニュース.com
ICOでの需要が減っている
これは買い圧力の低下につながる話です。
アウトノーモス・リサーチのデータによると、2018年8月にICOで調達された額は2018年1~3月と比較してなんと約1/10! ICOで調達されたイーサリアムが中長期的に保有されやすいということを考えると、買い圧力の大幅な減少なのではないでしょうか。D2キャピタルの共同創設者プリモズ・コーデス氏は、ICOでのイーサリアム需要の減少こそが、価格の低下の要因だと分析しています。
ちなみにイーサリアムをプラットフォームとして利用するICOは、現状では全体の約86%だそうです。
8月のICO調達額 16ヵ月で最低 仮想通貨イーサリアム価格低迷の要因か
引用:コインテレグラフ
そもそも仮想通貨全体が冷え込んでいる
ほぼ全ての通貨がビットコインの動向に左右されてしまっている現状では、イーサリアムもこの流れに逆らうことはできません。
年始からの長期的な下落の中で、あえて買おうとする人が減ってきている可能性は少なからずあります。日本ではZaifでイーサリアムの積立投資をされている方も多いですが、あまりにも下落が酷いため、投資をやめたり、減らしている人も多いのではないかと思います。
また、中期的な相場でみても、ビットコインは現在下落トレンドの中にあるという見方が強く、9月は下目線の人が多いようです(自分もその一人です)。
その他
先に上げた要因以外にも、複数イーサリアムの価格が下落する原因と思われるものはあります。
ルービン氏の主張:手数料の関係
ステラの技術顧問であるルービン氏は以下のように主張しています。
もし分散型アプリ(dApps)やERC20トークンを運用する際、ガス代(手数料)をイーサで払わなくてよいならETHに対する価値がなくなるとみている
この主張が短期的に大きな下落の要因となるかには疑問がありますが、長期的にみて下落の影響が出る可能性や、それを見越しての売り圧力につながる可能性はあるでしょう。
一方、イーサリアム側ではブテリン氏は以下のように反論しています。
イーサリアムのコミュニティーは、2つの新たな提案をしようとしているが、双方ともにプロトコル・レベルではETHで払う必要性を謳っている
技術力的な話は難しくて正直よくわかりません。どちらの主張が正しいか、今後の動向に注意したいと思います。
資産としての仮想通貨イーサリアムは無価値になる?ブテリン氏は反論
引用:コインテレグラフ
イーサリアム先物取引の影響
以前からCBOEによるイーサリアム先物取引の話が持ち上がっていましたが、最近になって2018年中にサービスを提供するとの発表が行われました。
ビットコインの先物取引の例もあるため、この取引が実現すればイーサリアムの価格が下落する原因となるのでは? との見方もあるようです(専門家の間でも意見が別れるるようですが)。
ちなみに忘れられている気がしますが、イギリスのクリプト・ファシリティーズで2018年5月からイーサリアム先物取引はすでに開催されています。
年内開始予定ETH先物は、イーサリアムよりビットコイン価格にいい影響を与える|投資アナリストの見解
引用:COIN POST
上昇する要因
ここまで下落要因をまとめてきましたが、安全なトレードの為には上昇する要因も考える必要性があります。
10月に予定されている重要なアップグレード
2019年10月の第二週にはイーサリアムの重要なアップグレードである「コンスタンティノープル」が控えています。
マイニング報酬の減少など、色々な内容が盛り込まれているようですが、正直技術系に非常に弱いため、アップグレードの詳細がどのように価格へ影響を与えるかは予想ができません。
ただ、重要なアップグレードを控えている時期は期待から価格が上昇する可能性がありますので、この点は考慮に入れる必要があるでしょう。
イーサリアムのコンスタンティノープルでの問題点と進行状況
引用:Coin Choice
マイニング報酬の変更
アップグレードにも関連する要素ですが、マイニング報酬の減額により今後デフレが進むことが予想されます。
現在発行されているイーサリアムはCoinMarketCapによると既に1億枚を突破していますが、これは2017年のブテリン氏の計算によると2100年頃に到達する枚数だったそうです。
このようにインフレが進んでしまっている(イーサリアムに限らず同様の仮想通貨は多数あります)ため、マイニング報酬を減額することでデフレ方向へ進めていこうという考えです。実現すれば希少性が高まっていくため、イーサリアムの価格高騰へとつながっていきます。
イーサリアム(ETH)マイニング報酬減額決定:インフレ抑制で価格上昇なるか
引用:FinAlt
下落が過熱しすぎ?
ICOの大量売却とも重なる内容ですが、売り過熱しすぎているという見方もできます。
2018年以降のイーサリアムの下降トレンドを確認すると、現在はかなり下の方によって来ています。RSIも日足で20近辺となっており、売られすぎを示している状況です。また8月まで減ってきていた出来高が9月5日行こう猛烈に上昇していることからも売りの過熱具合が確認できるかと思います。売りの過熱がひと段落した場合、買いを入れるチャンスと見る動きが出てくる可能性は十分あるので注意していきたいと思います。
イーサリアムは今後どう動くか?
ここまでイーサリアムの下落と上昇について確認してきました。これらの状況から、イーサリアムが今後どう動くか? を考えてみたいと思います。
- 9月:下旬まではビットコインの先物取引の影響もあり、下落方向に引きずられる可能性はある。短期的には売られすぎなので反発の可能性もある。
- 10月:大幅アップグレード前に高騰の可能性がある。しかし、一段落すれば全体の流れの影響を受ける。
- 年末頃:CBOEの先物取引が開始すれば、その影響を受ける可能性はある。ビットコインの例を考えれば、直ぐに下落するとは限らない。
- 年始頃:ビットコインの先物取引と同様の影響を受けるならば、年末に下がってなければ年始~2月頃にかけて価格を落とす可能性がある。
もちろんこの予想の通りに動くとは限りません。特に長期の予想になればなるほど、外れる可能性は大きいでしょう。ビットコインや仮想通貨全体の動向に左右されるため、何かをきっかけにバブル相場に突入すれば、あらゆる要素を無視して価格は高騰していくかと思います。
今後のトレード戦略について
ここまで確認してきた内容も考慮して、今後のトレードの戦略について考えました
- 仮想通貨全体の動向としては、ビットコイン先物取引の影響で9/20を過ぎるまでは横移動か下落を続ける可能性が高い。ビットコインの6000ドル近辺のサポートは強いが、割ったときの大幅な下落には注意
- イーサリアムは9/13時点では下落トレンドの下限付近にある。100ドルを切るという説もあるが、ビットコインの大暴落が来ない限り、下旬に140ドルを下回るのは難しい
- 以上から、イーサリアムの価格が戻るたびにショートを重ねる形で9月下旬まで対応する。下落が続いても9/20頃からはポジションを減らす。特に10月はアップグレードもあり、ビットコインも上昇に転じる可能性があるので安易なショートはしない
上記の通り、9月下旬まで値段を戻すたびにショートを繰り返していく予定ではありますが、臨機応変な対応が重要です。この記事を書いている最中にもイーサリアムが大きく反発したため、一旦利確し、ショートを重ねるタイミングを計っている状況です(利確がだいぶ遅れた感じですが…)。アルトコインはビットコインより値動きが激しいため、その点も考慮して対応する必要があります。
まずは安全第一で、自分の考えたシナリオを過信しないように対応していきたいと思います。
